白髪を黒髪へ!白髪になってしまう原因と改善・予防法
掲載日:2021.01.15 更新日:2021.01.15
徐々に増えていく白髪。白髪が生えてきても改善する方法はまだあります。白髪になってしまう原因と対策、予防法を紹介します。
白髪とはどのような状態?
白髪は、色素幹細胞が大きく関係しています。髪の色は、毛幹(毛髪)に色素細胞によって作り出されたメラニンが移動することで着色しています。このメラニン色素が何らかの原因でつくられなくなると、毛髪は色を失い、光を反射することで白く見えます。こうして白髪が生まれます。
白髪には大きく2つのタイプがあります。多くはメラノサイト(色素形成細胞)が非常に減少、あるいは欠失しているタイプですが、メラノサイト自体が残っているのに色素の合成を行っていない休止タイプもあります。
白髪が多い人に共通する特徴
白髪が多い人に共通する9つの特徴を確認しましょう。
- 35歳以上
- 家族に白髪の人がいる
- 強いストレスを感じることが多い
- タバコを吸っている
- 偏った食事をしている
- 正しい方法でシャンプーできていない
- 充分な睡眠がとれていない
- 貧血
- 腎臓機能が低下している
これらの特徴の多くに心あたりがあるならば、今後白髪が増える可能性が充分にあります。白髪が生えるのを完全に止めることはできませんが、進行をある程度遅くすることは可能です。当てはまっている特徴を改善し、白髪を増やさない対策を始めましょう。
一度白髪になると黒髪は生えてこない?
遺伝や加齢が原因の白髪は、再び黒髪に戻ることは期待できません。ですが、ストレスや病気などの一過性の理由で増えた白髪は、改善すれば再び黒い髪に戻る可能性は残されています。
ストレスや病気による一過性の白髪は、血行不良によってメラノサイトの機能が低下し、色素を充分に生成・供給できずに起こっています。ですから原因を解決して血行が良くなれば、メラノサイトのはたらきが回復して、再び黒髪が伸びてくるようになります。
黒髪に戻る可能性のある白髪とは
一度白髪として生えた髪が、再び黒い色がついて伸びることはあります。ただし、すべての白髪にその可能性があるわけではありません。詳しく解説しましょう。
遺伝性の白髪
父方、母方、あるいは両方に白髪の人が多い場合、遺伝で白髪が生えやすくなります。これは体質的なものなので、再び黒い髪になる可能性はきわめて低いでしょう。
加齢・老化による白髪
歳をとるにつれて身体のあらゆる細胞は老化し、はたらきが低下します。老化の影響ではたらきが低下したメラノサイトを再び活性化することはできません。
病気による白髪
病気によって血行が悪化し、メラノサイトのはたらきが低下して白髪が生えやすくなることがあります。この場合、病気を治療して改善すれば血行不良も解消され、メラノサイトのはたらきも回復し、メラニン色素が生成、供給されて再び黒い髪が伸びるようになります。
ストレス性の白髪
ストレス蓄積によって自律神経のはたらきが乱れ、血行不良に陥ることで白髪が増えます。ストレスを受ける機会が減ったり、こまめにストレスの解消・発散を行なったりすることでストレスによる血行不良が緩和されれば、頭皮まで血流が届くようになり、白髪だった髪が黒髪に戻る可能性があります。
このように、白髪は再び黒髪になりうるものと、それが期待できないものとに分かれます。病気やストレスによる白髪は、遺伝や加齢による白髪とは異なり、まだメラノサイトの機能が回復する可能性が残っています。適切に白髪が生える原因に対処することで、白髪を改善できます。
白髪になる原因
メカニズムを理解したところで、白髪の原因について探っていきましょう。
1. 紫外線
頭皮も身体の肌同様に日焼けをします。むしろ高い位置にあるために最も直射日光を浴びやすく、日焼けしやすい部位です。日焼けによる影響で頭皮が熱をもったり、赤くなったり、ヒリヒリと痛んだりした状態は毛根やメラノサイトにもダメージが及び、白髪が生えやすくなります。
白髪は病気やストレスなどの内的な要因だけでなく紫外線などの外的な要因によっても生じます。また紫外線は白髪だけでなく頭皮の老化を招き、薄毛症状を助長します。
そのため外出する場合は帽子をかぶったり日傘をさしたり、日焼け止めスプレーを使用して、紫外線の影響を軽減できるよう工夫してください。
2. 遺伝
白髪と遺伝との間には、原因こそはっきり解明されていないものの因果関係があります。父・母の家系に白髪の人が多い子供は白髪になりやすい傾向があります。2016年に世界で初めて、IRF4遺伝子という髪を白くする作用をもつ遺伝子が発見されました。この遺伝子はメラニンに作用して髪を白くするはたらきをもっており、メラニンの生成や蓄積にも関係していることがわかっています。
3. 加齢
一般的に、白髪が生えはじめる平均年齢は35歳前後で、髪の半分以上が白髪になるのは55歳ごろと言われています。35歳から白髪が生え始める原因のひとつに、メラノサイトという細胞のはたらきが加齢により衰えることがあります。
メラノサイトは髪の色素であるメラニンを作り出している細胞で、毛根の下部に存在しています。メラノサイトの内部で、アミノ酸の一種である「チロシン」と「チロシナーゼ」と呼ばれる酵素とがメラニンを作り出します。
髪はもともと無色透明です。メラノサイトがメラニンを生成しないと髪は白くなり、メラニンを取り込んだ髪は黒い髪の毛として伸びていきます。
メラノサイトのはたらきは、年齢を重ねるにつれて衰えていきます。やがて正常にメラニンが作られなくなると白髪が伸び始め、次第に白髪の割合も増えていきます。
4. ストレス
ストレスは、白髪の主要な原因のひとつです。白髪を予防するためには、ストレスをなるべく軽減することが重要です。
ストレスは血行を悪化させて白髪を引き起こす
強いストレスは血液の流れを悪化させ、メラニンの生成にも悪影響を及ぼします。 人間の神経には血管や内臓のはたらきを調整する「自律神経」という器官があります。自律神経は副交感神経と交感神経の2つに分かれており、副交感神経は血管を広げて血流を良くし、身体をリラックス状態に導くはたらきがあります。もう一方の交感神経は血管を収縮させ、身体を緊張状態にさせて身体を活発な状態に導きます。
交感神経と副交感神経がバランス良くはたらいていれば、心身ともに健康な状態を保てます。 ところが、強いストレスを感じると交感神経ばかりが優位にはたらく状態が続きます。すると血管収縮状態が続き、血液の流れが滞りがちになります。身体のあちこちで問題が起こりますが、毛根ではメラニンを作るために必要な栄養や酸素が髪に届かなくなることで色素を作る活動も滞り、白髪の原因になります。
ストレスは白髪の原因物質である過酸化水素を増やす
強いストレスを感じると、体内で過酸化水素が大量に発生します。過酸化水素が体内で過剰になると、メラニン色素を生成するチロシナーゼという酵素の働きが阻害されて白髪が増えてしまいます。
白髪を予防するためには、なるべくリラックスしてストレスを軽減し、体内の過酸化水素の増加を防ぐことが大切です。
ストレスは薄毛(ハゲ)を招く危険性も
ストレスによる自律神経の乱れは、白髪ではなく薄毛(ハゲ)を引き起こすこともあります。白髪や薄毛(ハゲ)などの髪の問題を予防し、改善するためにもストレスの解消は大切です。
5. 栄養不足
若白髪が出る原因は,ライフスタイル(生活習慣)の影響が大きいと考えられます。身体の細胞は日々分裂して作りかえられています。 バランスの良い食事 で栄養を摂取しなければ、細胞の老化は早くなります。
朝食抜き・昼食抜きなど1日3食をきちんととらない、ダイエット目的で過度の食事制限そしている、インスタント食品やファーストフードばかり食べている、といった問題に該当するならば、栄養不足に陥っている可能性は非常に高いです。栄養不足は身体の維持に問題を起こしますが、頭皮、そして白髪も例外ではありません。
メラノサイトがメラニン色素を作るには食事で摂取する栄養素が欠かせません。食生活が乱れているとメラニン色素の生成が滞り、白髪が生える可能性を高めてしまいます。
6. 病気
DNAを正常に作れなくなる悪性貧血、全身の機能が低下する甲状腺機能低下症などの病気によってメラノサイトのはたらきが低下し、白髪になる場合もあります。
悪性貧血(巨赤芽球貧血)
悪性貧血とは、赤血球を作るために必要なビタミンB12の不足が原因で起こる貧血です。ビタミンB12は神経や血液を健康に保ち、DNAの生成を助けるといったはたらきをもっています。
ビタミンB12が体内に吸収される流れを見てみましょう。
まず、ビタミンB12を含む食べ物を食べると、胃酸が食べ物に含まれるビタミンB12をタンパク質から切り離します。そして、ビタミンB12は胃の中で作られたタンパク質の一種である内因子と結合し、体内に吸収されます。ビタミンB12の吸収には内因子が欠かせませんが、悪性貧血にかかると、内因子を作ることができません。そのためビタミンB12を充分に吸収できなくなります。ビタミンB12はDNAの合成に必要な成分ですので、不足すると正常にDNAが作られなくなります。つまり、髪を黒くする色素・メラニンを作るメラノサイト細胞も作られなくなるため、髪を黒くする方法がなくなり、髪の毛は白髪になります。
悪性貧血の症状
痛みを伴う舌の炎症(舌炎、ぜつえん)、息切れ、頭痛、疲労、体力低下、便秘、食欲不振、体重減少、うつ病、認知症、知覚障害、甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が充分に行なわれない病気です。甲状腺ホルモンは、のどぼとけの下あたりにある甲状腺という臓器から分泌されるホルモンで、全身の新陳代謝を活発にするはたらきがあります。新陳代謝は古くなった細胞を新しい細胞に作り変えたり、身体を成長させたりして身体の健康を維持する重要なものです。甲状腺ホルモンの分泌が少なくなると、全身の代謝が低下して身体のさまざまな機能が低下する症状が出ます。白髪の症状もそのひとつで、メラノサイトが正常にはたらかなくなり、白髪を引き起こします。
甲状腺機能低下症の原因のほとんどは「橋本病」です。橋本病は、身体の免疫に異常が起こって甲状腺を「異物」と誤認して免疫が攻撃し、甲状腺のはたらきを低下させる病気です。なお、橋本病にかかった人全員が甲状腺機能低下症になるわけではなく、橋本病の人が甲状腺機能低下症を伴う割合は4~5人に1人程度です。
甲状腺機能低下症の症状
乾燥、脱毛、むくみ、便秘、疲労感、眠気、記憶障害、抑うつ、無気力、体重増加、腎不全
腎不全
腎臓は心臓から送り出されてきた血液をろ過し、老廃物を尿として排出するはたらきをもつ臓器です。そのろ過の機能が低下し、充分に老廃物を排泄できなくなった状態が腎不全です。腎不全を起こすと、全身の臓器に機能障害が起きてさまざまな症状が現れます。髪も正常に成長できなくなり、メラノサイトにも影響が及ぶために白髪が増えます。
腎不全には急性腎不全と慢性腎臓病の2種類があります。急性腎不全は1日以内~数週間のうちに腎機能が急激に低下した状態です。急性腎不全の原因としては薬剤や脱水、ショック状態などが代表的ですが、原因を特定するのが難しいこともあります。慢性腎不全は数か月~数年かけて徐々に腎機能が低下した状態です。
腎不全の症状
尿の出が悪くなる、あるいは全く出なくなる、夜間の尿の量が増える(慢性腎臓病の場合)、むくみ、疲労、息切れ、かゆみ、食欲不振、貧血、高血圧、意識障害、原田病(フォークト・小柳・原田病)
原田病
原田病とは、突然両目に網膜剥離が生じて、見えづらくなる病気です。症状は目以外にも皮膚の白斑や白髪、脱毛など全身に現れます。原田病の原因はメラノサイトに対する自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは自分の免疫システムが身体の中にある正常な細胞や物質を間違って攻撃して炎症を起こす病気のことです。原田病はメラノサイトを標的として発症するため、メラノサイトの多い髪、目、耳、皮膚などに症状が現れます。
原田病の症状
頭痛、めまい、倦怠感、難聴、皮膚の白斑、目の充血、目のかすみ、目の奥の痛み、まぶしく感じる、視力低下
白髪対策・改善方法
白髪はある程度、改善したり目立たなくすることができます。
白髪を染める
以前であれば、白髪染めは黒一択でしたが、近年は白髪染めは変化しつつあります。
しっかり染める
分け目など目立つところに白髪があったり、髪をセットした際の生え際が気になったり、部分的に白髪が気になる人におすすめな方法です。
白髪の気になるところだけ白髪に色をいれることで、カバーすることができます。しかし、髪が伸びてきた際に境目がはっきりしてしまうというデメリットもあります。
なじませる
白髪が多い場合、完全に隠すのではなく、なじませるようにするグレイカラーも近年はやっています。 髪の毛が伸びてきたときに気になりにくいというメリットがあります。
染めるときの注意
白髪染めを選ぶ際には、成分を確認してじっくり選んでください。白髪染めやヘアカラーにはジアミン系酸化染料や過酸化水素が含まれるものがあります。ジアミン系酸化染料はアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、人によってはかゆみを感じることがあります。過酸化水素は肌や毛根などの細胞組織にダメージを与え、老化を助長させます。これらを含む白髪染めを使うと頭皮にダメージを与え、白髪を増やす原因にもなりかねません。
これらの成分がなくても、白髪染めは少なからず髪に負担をかけるものです。使用の際は頭皮に着かないよう注意し、また2~3か月に1度程度の頻度に抑えてください。2度目以降は根元を部分染めすると、髪への負担は軽く済みますし、狙った部分の白髪をしっかり染めることができます。
染めない
分け目を少しだけずらしたり、前髪を変えたりするなど、ヘアスタイルやスタイリングで目立たなくする方法もあります。
また、白髪を見つけたら抜かれる方も見かけますが、抜いてしまうと頭皮や毛根に負担がかかってしまい、生えてこなくなったり、クセがつよくなることも考えられます。
白髪が数本の場合は抜かずに根元から切ることをおすすめします。
また、シャンプーで落ちるタイプの白髪を隠すアイテムも多く販売されているので検討してみましょう。
食生活
前述した通り、食生活の乱れは白髪の原因の1つです?しかし、漢方薬を飲めば大丈夫だと思っている方はいませんか?
しかし、飲むだけで効果を得られるわけではありません。白髪を発生させる原因となる体の不調を察知し、それを改善する事で白髪を改善しようという考え方です。
漢方の考え方では、健康的な黒髪は、「精」や「血」という栄養によって作られるとされています。
「精」や「血」は体にうるおいやエネルギーを与え、「精血」がカラダの中で働くためには、十分な量と、それを各部位に届けるためのスムーズな巡りが大切だとされています。「精血」は栄養バランスのとれた規則正しい食生活によって補われるとされています。
食事内容や食べる時間などを根本的に見直して、白髪の改善を目指しましょう。
病気の治療法
悪性貧血
悪性貧血はビタミン12の不足によって起こりますので、ビタミン12を補う治療を行ないます。なお、悪性貧血の人はビタミン12の吸収に必要な内因子が作られないため、経口投与ではなく非経口投与を行なうのが一般的です。
初期治療では500μgのビタミンB12を週3回、筋肉あるいは静脈に注射します。初期治療を約2か月行ない、症状に改善がみられたら3か月に1回の頻度に切り替えます。
ビタミンB12の投与により血液が正常に作られるようになっても、全身に酸素を運ぶはたらきをもつ血液の鉄分が不足し、貧血の症状が完全に改善しないこともあります。その場合は鉄の経口投与を行ないます。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症の治療はレボチロキシンという内服する治療が一般的です。レボチロキシンとは甲状腺ホルモン製剤で、服用することで不足した甲状腺ホルモンを補えます。1日1回、最初は少量の内服量から始め、定期的に血液検査をしながら徐々に内服量を増やします。レボチロキシンはすぐに効果が出るわけではなく、効果が見られるまでにある程度の時間がかかります。
甲状腺機能低下症は医師の指示に従い薬剤を服用すれば、充分コントロールできる病気です。ただ、治療の効果には個人差があり、薬剤投与を完全にやめられる人、やめられない人とに分かれます。
腎不全
短期間で腎臓機能が低下した急性腎不全と、長い年月をかけて腎臓機能が低下した慢性腎不全とでは治療法が異なります。
急性腎不全の治療法
急性腎不全の治療では、腎臓機能が低下した原因の除去と、腎臓が回復するための管理を行ないます。脱水や出血が原因の場合は輸液や輸血を行ない、薬剤が原因の場合は薬剤の投与の中止などを行なって、腎臓機能が低下した原因を取り除きます。原因が不明の場合、あるいは原因を除去しても腎機能がすぐに回復しない場合は、食事療法や薬物療法を中心に治療を行ないます。
食事療法は1日1,800kcal以上のエネルギーを確保しながら、腎臓の負担を減らすためにタンパク質と塩分を制限するのが基本です。なお、腎臓の回復状態によって食事制限の内容は異なります。
慢性腎不全の治療法
慢性腎不全の場合、現在の医療では元の腎臓機能にまで回復させることはできません。そのため病気の進行を予防し、末期になるまでの時期を遅らせることを治療の目的とします。主な治療内容は薬物療法と食事療法です。
腎臓機能の低下により心臓病や脳卒中などの合併症を発症するリスクが高まるため、薬剤の使用で合併症を予防します。食事療法ではカロリーの制限と水分の適量摂取、タンパク質、塩分、カリウム・リンなどの栄養素の制限を意識して食事を行ないます。
原田病の治療法
原田病は免疫抑制作用や抗炎症作用に優れているステロイドを使用して治療するのが一般的です。初期にステロイドを使用して治療を行なえば、多くの人が後遺症もなく治ります。しかし現在の医療では確実に再発を防ぐ方法はなく、強力な治療を行なっても3~5人に1人の割合で再発する可能性があります。
原田病は目だけではなく、全身に症状が現れますので、全身に大量に投与を行なうことになります。ステロイドの大量投与は高血圧などの重大な副作用が出る恐れがあるので、入院が必要です。点滴での投与から始まり、徐々に内服薬に切り替えます。
また、急にステロイドの投与をやめると再発する可能性が高まるので、徐々に投与する量を減らしながら、半年程度の期間をかけて治療を行ないます。なお、治療の途中で炎症の再発や長期化が見られる場合、ステロイドの投与を1年以上続けることもあります。
白髪を治すために避けたいこと、NG事項
白髪を改善するために、ストレス対策と生活習慣の改善に取り組んでいる間、間違った白髪対策を行なうことのないよう気をつけてください。ありがちな「間違った白髪対策」についてご説明します。中には「しないほうがよい」どころか、かえって悪影響になることもありますので注意してください。
白髪を抜かない
1本だけ目立つ白髪を見つけると、つい指でつまんで抜いている、という人もいるでしょう。ですが、白髪でなくとも、髪の毛を抜くのは問題です。
髪の毛を抜くと毛根組織にダメージを与え、毛根とつながった毛細血管を傷つけて、毛根組織のはたらきを低下させる、あるいは毛根の形状を変える可能性があります。結果として髪が生えにくくなったり、うねったりつぶれたような髪が生えてくるなどの問題が起こります。
1本だけなんとかしたい白髪を見つけたら、根元近くで短くカットすればしばらく目立たなくなります。もしかすると、黒髪に戻りうる白髪かもしれませんし、抜くのは避けてください。
紫外線を浴びすぎない
頭皮も身体の肌同様に日焼けをします。むしろ高い位置にあるために最も直射日光を浴びやすく、日焼けしやすい部位です。日焼けによる影響で頭皮が熱をもったり、赤くなったり、ヒリヒリと痛んだりした状態は毛根やメラノサイトにもダメージが及び、白髪が生えやすくなります。
そのため外出する場合は帽子をかぶったり日傘をさしたり、日焼け止めスプレーを使用して、紫外線の影響を軽減できるよう工夫してください。
体を冷やさない
白髪を治すためには体を冷やさないことも意識してください。体の冷えは代謝の低下や血行不良を招きます。これらはいずれも白髪の原因につながるものです。
体を冷やさないためには根野菜やしょうがなどの体を温める効果を期待できる食べ物や飲み物を積極的にとってください。また血の巡りを良くするためにマッサージで体をほぐしたり、浴槽に浸かってじっくり入浴したりといった習慣をつけるのもおすすめです。
白髪を予防する方法
髪も体の一部です。体にいいとされることは、髪にも良い影響をあたえます。毎日の生活の中から、白髪予防を始めましょう。
食事
バランスのとれた食事も白髪の予防には大切です。
藻類、大豆類は、ケラチンやチロシン髪を黒くする原料になり、鶏肉や豚肉からはコラーゲンも取れ、魚介類の亜鉛は細胞の新陳代謝を助けます。
レバーやナッツ類などは、抗酸化作用、血行促進が期待でき、鉄分は細胞に酸素を送る役目
○ タンパク質
髪の主成分でもある、たんぱく質。
毛母細胞を活性化させるイソフラボンを多く含む大豆製品はとくにおすすめです。
肉、魚、卵、牛乳、大豆製品
○ 銅
メラニン色素の原料になるチロシンが豊富です。
牛レバー、イカ、桜えび、干しえび、ごま、海藻類、豆類
○ 亜鉛
新陳代謝を助け、アミノ酸を結びつけるのに使われます。ビタミンB6と一緒に摂るとさらに効果的です。
牡蠣、ウナギ、チーズ、卵黄、アーモンド、納豆など
○ 鉄
言わずと知れた栄養素の1つ。貧血の防止にも繫がります。
赤身肉、ひじき、豚・鶏レバー、イワシなど
○ カルシウム
色素細胞(メラノサイト)の機能低下を抑制できます。
乳製品、大豆、わかめ、ひじき、小魚など
○ ビオチン(ビタミンH、ビタミンB7)
髪だけでなく、爪や皮膚にも効果があります。
まいたけ、落花生、鶏のレバーなど
○ ビタミンC
コラーゲン生成の役割をになっているビタミンです。
レモン、アセロラ、キウイフルーツ、赤ピーマンなど
サプリ
先にあげた栄養素のなかでも、毛母細胞やメラノサイトの働きを活性する、「亜鉛」、「たんぱく質」、「ビタミンB」は、積極的に摂ることが大切です。しかし、サプリは栄養補助食品です。サプリで全て補おうとするのではなく、栄養素は食事から摂るように心がけましょう。
有酸素運動
血行を良くすることは、髪の成長や白髪の予防につながります。
特に、有酸素運動は肺から取り込んだ酸素を血液に乗せて全身に巡らせてくれるのでおススメです。
毛細血管は、血流がよくなることでその数が増えるという特徴をもっています。
末端である頭皮でも酸素と栄養素、老廃物の運搬が潤滑に行われるようになり、髪の成長や白髪の予防につながります。
有酸素運動というと、水泳やジョギングがあげられますが、呼吸が上がってしまう状態だと、あまり効果を得られないのが現状です。
手軽にできる有酸素運動としておススメなのは、ラジオ体操です。
ラジオ体操は、全身の運動になります。特に腕を回せば肩も回るので、肩コリによる、血行不良を改善することができます。
睡眠
頭皮や髪を色づける色素幹細胞も日々その細胞は入れ替わっています。
その仕組みはほかの肌と同様で、睡眠によって成長ホルモンの分泌を促し、細胞が新しく生まれ変わります。
質の良い十分な睡眠が、毛包幹細胞を成長させることや、色素幹細胞からメラニンを分泌させるのです。
シャンプー・トリートメント
頭皮の潤いを守りながらも、しっかりと汚れを取り除くタイプのシャンプーやコンディショナーに変えましょう。また、スカルプローションや育毛剤の使用を検討しても良いでしょう。
しかし、すでに生えてしまった白髪を黒く戻すものではなく、今後生える髪にしか効果がないのが一般的です。
正しい知識で白髪対策を
今回は白髪の原因や、対策としてできることをご紹介しました。白髪が生えてきてしまったからと諦めてケアを怠ってしまうと、余計に白髪の原因を増やしてしまうことも。正しい知識で白髪と上手に付き合ってみてはいかがでしょうか。
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