飲みすぎ禁物!「コーヒー」と白髪の関係性

掲載日:2021.01.15 更新日:2021.01.15

この記事の監修 アンファー株式会社

眠気を覚ます覚醒効果やさまざまな健康効果があるとされ、近年は消費量もどんどん増えているコーヒーですが、コーヒーの飲みすぎは白髪の増加につながる可能性があります。特にコーヒーと白髪の関係性で注目されているのは、コーヒーをドリップすることで自然に発生する「過酸化水素」です。今回は、なぜコーヒーの飲みすぎで白髪が増える可能性があるのか、コーヒーの適量はどのくらいかについてご紹介します。

白髪は代表的な老化現象のひとつであり、個人差もありますが、年を取るごとに自然に増えるものだと捉えることができます。しかし、なんらかの理由で白髪が増える時期が早まり、20代や30代の前半で若白髪になってしまう可能性もゼロではありません。白髪自体に健康的な被害はないとしても、十分に年を取る前であれば、できれば白髪は生えてこないようにしたいところです。

白髪を増やす原因としてあげられているもののひとつが、「過酸化水素」です。化学式は「H2O2」で、水の化学式である「H2O」とよく似ているように、酵素などの働きで分解されると水を放出します。過酸化水素自体は広い分野で使われているものであり、例えば過酸化水素の水溶液は漂白剤やヘアカラー剤などに使われています。
過酸化水素は体内でも微量に生成されるもので、コーヒーをはじめ、食品に含まれていることもあります。2009年に発表されたアメリカの研究によると、この過酸化水素が黒い髪の毛を白髪にする原因物質のひとつだということです。

過酸化水素は漂白剤やヘアカラー剤にも使われていることから分かるとおり、色を脱色させる作用があります。例えばヘアカラー剤では、過酸化水素の含有量は製品によって変わりますが、過酸化水素などの成分の作用によりメラニン色素を脱色してから新たな色素を浸透させています。メラニン色素は髪の毛の黒色を作る色素で、ヘアカラー剤ではカラーを浸透させるためのスペースを作るためにメラニン色素の脱色を行います。

老化による白髪化では、毛包で作られた髪の毛にメラニン色素が浸透するプロセスが妨げられます。髪の毛は最初から黒いのではなく、作られたばかりは白色で、そこにメラニン色素が入って黒髪が作られるのです。ここでメラニン色素を作る役割を果たすのが、チロシナーゼと呼ばれる酵素です。なお、チロシナーゼは全身の皮膚にも存在しており、シミや日焼けを引き起こすため、日焼け止めや美容品にはチロシナーゼの活性を抑えるアプローチが取られているものもあります。

肌においては厄介者でも髪の毛においては必要なチロシナーゼですが、チロシナーゼは過酸化水素の影響を受けると酵素としての働きがなくなってしまうのです。若いときはチロシナーゼを過酸化水素から守る別の酵素や、過酸化水素を水に分解する酵素があるため黒髪を維持できます。ただし年を取ると、若いころも毛包の中で微量に作られていた過酸化水素の量が増え、酵素の働きでは追いつかなくなってチロシナーゼの活性がなくなっていきます。そしてチロシナーゼがメラニン色素を作れなくなり、白髪が増えていくのです。

過酸化水素は殺菌性を持つことから、食品添加物として使用すること自体は認められています。しかし、動物実験により弱い発がん性を持つことが明らかになったことから、一度使用したら食品として提供される前に完全に除去しなければならないと定められました。そのため、通常は食品から過酸化水素を摂取することはないのですが、例外的に食品の中で自然発生することがあります。過酸化水素を自然発生させる食品の代表例が、コーヒーなのです。

コーヒーの原料となる生のコーヒー豆からは過酸化水素は検出されません。しかし、コーヒー豆を焙煎して茶色~黒色の商品として販売される状態になると、過酸化水素が検出されるようになります。また、コーヒー豆を挽いて粉にし、コーヒー液を抽出すると、さらに多くの過酸化水素が検出されます。完全に除去しなければならないと法律で規制されているのは、殺菌のために一度人為的に添加した過酸化水素なので、自然に発生した過酸化水素に関しては含まれません。コーヒーに関しては「豆を挽いてコーヒー液を抽出する」作業は家庭でも行われるものなので、食品メーカー側がどうこうすることはできないといえます。つまり、コーヒーを飲めば飲むほど、自然発生した過酸化水素を体の中に取り入れることになるのです。

コーヒーの他に液として抽出することで過酸化水素を自然発生させる食品には、紅茶やウーロン茶があげられます。特に過酸化水素の量が多いのはコーヒーですが、抽出の条件によっては紅茶やウーロン茶のほうが多くなることもあります。さらには保存しておくことによっても過酸化水素の量は増えることが分かっており、抽出や保存による過酸化水素の増加量は条件により大きく変化します。これは、空気に触れること、温度が上がること、太陽光を受けることなどさまざまな原因が絡み合っているためです。この特徴から、商品として販売されているコーヒーなども過酸化水素の量はまちまちです。
出典元| 食品衛生学雑誌千葉県衛研年報厚生労働省

このように、コーヒーは大量に飲むことでその分だけ過酸化水素も摂取してしまうことになります。若いうちは過酸化水素に対抗する酵素を持っているとしても、過酸化水素の量が増えれば酵素の働きにも限界があり、白髪の増加スピードが速くなる可能性があるのです。

コーヒーはどのくらい摂取すればよいか?

上記のようにコーヒーをたくさん飲むことで白髪のリスクも増していくことになりますが、がんの発生を抑えるなど死亡リスクを減らすうれしい健康効果も多く報告されています。そのため、コーヒーを飲むこと自体は健康にとってよいものであると考えることができます。ただし、白髪増加の可能性を高めること以外にも、めまいや強い興奮、不安、震え、不眠、心拍数の増加、下痢、吐き気などの症状が現れることもあります。これらは刺激物であるカフェインの効果によるものです。

カフェインは興奮作用があるといわれています。そのメカニズムは、神経を鎮静させる物質「アデノシン」の働きを阻害するというものです。カフェインとアデノシンは非常によく似た物質であり、カフェインはアデノシンを押しのけてアデノシン受容体に取り付き、神経を興奮させます。コーヒーなどのカフェインを多く含む飲み物を大量に飲むことで神経が興奮し、さまざまな症状が現れる可能性が増すのです。

カフェインが健康に悪影響を及ぼすようになる量は個人差が大きいため、国内でも国際的にも、摂取量に明確な基準は設けられていません。ただし、世界の各機関が発表している目安を参考にすることができます。世界保健機構は2001年に、妊婦はコーヒーの摂取量を1日に3杯~4杯までに留めるように勧めています。また、カナダ保健省は2010年に、健康な成人であればマグカップ約3杯が目安だと発表しています。
出典元| 厚生労働省農林水産省

とはいえ、やはりカフェインの適切な摂取量は個人により差があるため、1日に3杯程度を目安としつつ上記のような症状が出た場合には減らすようにするのがよいでしょう。

コーヒーはほどほどに楽しもう

インスタントコーヒーや家庭でも手軽に作れるドリップコーヒー、コンビニで買える淹れたてコーヒーなど楽しみ方が増え、健康にうれしい効果もあるコーヒーですが、白髪が増える可能性を増してしまうなどのうれしくない側面もあります。食後などに楽しむ程度ならよいですが、飲みすぎには注意したほうがよいといえます。コーヒーが好きな方は、「1日に3杯前後」などのように量を決めて楽しむのがおすすめです。

この記事の監修 アンファー株式会社

○事業内容
化粧品・サプリメント・健康食品・専門医師監修によるクリニック専売品などのオリジナルエイジングケアプロダクツの研究開発及び製造・販売・卸業務。

○研究開発・製造
エイジングケア分野のNPO法人・研究団体の活動を支援するとともに、専門医師・大学機関との共同研究を通じ、研究・開発を進め商品を製造。